よく比較されることの多い”つみたてNISA”と”iDeCo”(確定拠出年金)についてつみたてNISAを始める方が気を付けなければならないことをお話しします。
iDeCo(確定拠出年金)は60歳にならないと引き出せない。
つみたてNISAはいつでも引き出すことができるから、つみたてNISAの方がいいよ!なんて聞いたことはないですか?
この「いつでも引き出せる」には罠があります。
これから始める初心者の方にわかるように重要なことだけを簡潔に専門用語を抜きにして説明していきます。
つみたてNISAはいつでも引き出せる?
答えはYes
いつでも保有する株を売却することで引き出すことができます。
ですが、つみたてNISAは運用中に発生した利益に対して最大20年間非課税で資産運用することができる制度です。
この20年間どれだけ株を売買しても非課税なのか。引き出すってどうやって引き出すの?
ここ疑問に思いませんか。
つみたてNISAは引き出すとどうなるのか
結論から言うと、”売買した時点で非課税枠は無くなる”です。
これ、知らずに始める方がとっても多いです。
最長20年間運用益が非課税になるのは購入時から一度も売却(引き出し)をしなかった場合です。
この非課税期間が無くなるということは、一度売却をした後に発生した運用益に対して約20%の税金を支払うことになるということです。
100万円利益が出たら約20万円は税金として引かれ、約80万円が手元に残るというわけ。
つみたてNISAは15年から20年かけて資産運用するのが基本
長期間かけて毎月少額ずつ(最大33,333円)つみたてていくスタイルのことをドルコスト平均法といい、高いときも安いときも一定の金額で買えるだけ買うのがつみたてのいいところです。
これを一般的に15年以上継続することで複利の効果も働き投資した金額が増える可能性が上がるという仕組みです。
つみたてNISAの場合、短期的な値動きで売買をし利益を出していくのではなく、時間を味方につけてドルコスト平均法で運用するのが最適解だと言えるでしょう。
どうしても困ったときにどうすればいいか
決まった収入の中から貯金以外に投資資金を捻出するわけですから、ほとんどの人にとって投資資金というのは負担になりますよね。
それでも将来に向けて資産運用をし資産を増やしたいと思い、始めるわけです。
ここで投資の大原則として、投資資金は”余裕資金”で行うということ。
つみたてNISAの年間つみたて上限額(33,333円/月)をなんとかやりくりしてギリギリの生活で捻出したのでは20年間続けるのは不可能でしょう。
これでは20年の非課税枠を最大限に活用することなく途中で引き出すことになるのは目に見えています。
そうならないために余裕資金で行うことが大事になってきます。
余裕資金=毎月なかったものとして生活できる金額
という考えのもとあなたの捻出できる金額を考えてください。
「毎月33,333円出せるけど貯金はゼロ」
これもダメなパターンです。
毎月の収支に対してイレギュラーな出費があった際に貯金がゼロ(もしくは少ない)ではつみたてNISAから引き出すしか無くなってしまうので当然ですよね。
一般的に最低でも給与の3ヶ月分の貯金は必要と言われています。まずはここをクリアしましょう。
ここまで考えた上で毎月の投資額を決めて運用を始めても20年間何が起こるかは誰にも分かりません。
もし、万が一どうしても引き出したくなったときに検討するべき3つのポイントを紹介します。
①毎月の運用金額を減らす
なんらかの事情で当初の予定とは変わり、毎月の生活で最初に設定した金額を捻出するのが無理になってきた。
そんな場合は運用金額を見直しましょう。
無理なくつみたて続けることができる金額で少しでもつみたてていくことをおすすめします。
②毎月のつみたてを停止する
とにかく毎月のつみたてが生活を圧迫するほど負担になってしまったなどの場合は一時的につみたてを停止するのがいいでしょう。
毎月のつみたては停止してもこれまでつみたてた分に対しては運用を継続してくれます。
ただここで注意しておきたいのは年間40万の非課税枠は繰り越せないということです。
ボーナス設定ができない限りつみたてNISAの制度上、40万円/年、33,333円/月が上限です。
この枠を毎年目一杯使おうと思うと一時的な停止であっても使い切るのは難しくなるでしょう。
ただし、この枠を毎年使い切らないといけないと思い込むのは間違いです。
”余裕があれば”ぐらいにしておきましょう。
5,000円/月でもやらないよりはマシです。
③売却する
これは最後の手段です。
どうにもならず、保有する株式を売却しなければ生活が立ち行かない。
そんなときは売却するしかないでしょう。
ですが、このときに全て売却するのではなく必要な分だけ売却するのが私はいいと思います。
一度売却することで非課税枠は無くなりますが、通常の投資と同じように運用そのものは継続することができます。
少しでも複利の効果を活かし資産を増やすことを考えれば、必要最低限の売却にすることをおすすめします。
しかし残りの非課税期間が短く、現在の運用益がプラスで出ているなら全て売却するのもありかもしれません。
いずれにしても売却して引き出すということに対しては慎重に考えたほうがいいです。
まとめ
・つみたてNISAはいつでも保有する株を売却することでお金を引き出すことができるが、20年間非課税というメリットを今後の残りの期間捨てることになる。
・つみたてNISAは最長20年間非課税で投資でき、年間40万円まで投資できる。(最大33,333円/月)
・生活を切り詰めてまで捻出するのではなく、投資は余裕資金でやろう。
・最低限の現金貯金も必要。
つみたてNISAはとっても魅力的な資産形成、資産運用の方法です!
何を買うかにもよりますが、無難なところを買っていれば大きく儲けることはないかもしれませんが、同じ期間同じ金額を銀行に預けているのとでは20年後には複利の力で全然違う結果になるかもしれませんね!どんな投資もリスクはもちろんあります。ですがリスクを取らなければ得られないリターンもあります!そのリスクが限りなく少ないと思えるのがつみたてNISAだと私は思います。